第41帖 幻 / 第9場面
衣更の贈答
あらすじ・人物・読み方
夏の御方(花散里)は衣更えの装束を源氏に贈り、衣を替える日に寄せて長年の思いをほのめかす歌を添える。源氏は薄い夏衣に変わる今日からは空蝉の世がいっそう悲しいと返し、亡き人への喪失感をにじませる。
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現代語で読む
夏の御方〔花散里〕から、衣更えの御装束をお送り申し上げなさるということで、夏衣に仕立て替えた今日ばかりは、昔からの〔私の〕思いも新たに進むのではないでしょうか。
〔源氏の〕お返し、羽衣のように薄い衣に変わる今日からは、空蝉のようにはかないこの世がいっそう悲しい。
底本:北村季吟編『湖月抄』延宝元年[1673]刊・国立国会図書館蔵 本別3-1 第41冊。本文画像:所蔵機関の公開資料。延宝元年(1673)刊『湖月抄』の大字本文を、国立国会図書館デジタルコレクションの原画像(IIIF)と照合した独自編集本文です。通行字体・現行仮名へ写し、濁点・句読点を補い、反復符を展開しています。発音の読みと独自訳を添え、補った主語などは〔 〕で示します。