ATAWI 古典文学JAPANESE CLASSICS, AT YOUR PACE

第43帖 紅梅 / 第10場面

翌朝の返歌

あらすじ・人物・読み方

翌朝、若君が内裏から退出する際、匂宮は何気ない様子で夕霧への返歌を託し、今は翁どもに悟られないようひそやかに、と繰り返し念を押す。若君も東の宮の御方を大切に思い慕っている。

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現代語で読む

翌朝、この君〔若君〕が〔内裏から〕退出する際、〔匂宮は〕何気ない様子で、花の香に誘われる身であるなら、風の便りをむざむざ過ぎさせたりするでしょうか。さて、「なお今は、翁ども〔夕霧たち〕に悟られないよう、ひそやかに」と、返す返すおっしゃって、この君〔若君〕も、東の〔宮の御方〕を、大切に思い慕っていらっしゃった。

底本:北村季吟編『湖月抄』延宝元年[1673]刊・国立国会図書館蔵 本別3-1 第43冊。本文画像:所蔵機関の公開資料。延宝元年(1673)刊『湖月抄』の大字本文を、国立国会図書館デジタルコレクションの原画像(IIIF)と照合した独自編集本文です。通行字体・現行仮名へ写し、濁点・句読点を補い、反復符を展開しています。発音の読みと独自訳を添え、補った主語などは〔 〕で示します。