ATAWI 古典文学JAPANESE CLASSICS, AT YOUR PACE

謡曲「夕顔」 / 第6場面

法華の功徳で成仏する

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法華の功徳で成仏するをもとにした創作画
あらすじ・人物・読み方

夢の中に夕顔の霊が現れ、もののけに命を失った有様を明かして弔いを請う。ロンギの問答を経て、霊は法華の功徳を受け、変成男子・解脱の願いを果たして雲のまぎれに消える。

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謡曲「夕顔」・第6場面0 / 14
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原文・発音の読み・現代語

現代語で読む

夕顔「あら、有り難いお経ですね。そうでなくても女は五障の罪が深いのに、聞くも気疎いもののけが、人の命を奪った有様を、今の夢の人が現します。跡をよく弔ってくださいましと(言うのです)。

旅僧「不思議なこと。それでは宵の間に、山の端から出た月影にほのかに見え始めた夕顔の、末葉の露のように消えやすい、元の雫の世語(来し方)を、かねて現し給うたのでしょうか。

夕顔の言葉。「ご覧ください。ここも自然と、気疎い秋の野原となって、旅僧「池は水草に埋もれて、古びた松の陰は暗く。夕顔の言葉。「また鳴き騒ぐ鳥のから声が、身にしみ渡る折からを(思えば)。旅僧「さぞ物すごくお思いになったでしょう。夕顔「心の水は濁江(濁った川)に引かれて、こんな身になりましたが、優婆塞(僧)の行う道を道しるべとして。

地謡「来世も深い契りは絶えず、夕顔の言葉。「ご僧侶の今の弔いを受けて。地謡「ご僧侶の今の弔いを受けて、かずかず嬉しいことと。

夕顔「夕顔の笑みの眉、地謡「開かれる法華の(花のように)、夕顔「花房も、地謡「変成男子の願いのままに、解脱の衣の袖ながら、今宵は何を包もうか、言うかと思えば音羽山、嶺の松風が通い来て、明け渡る横雲に迷いもなく、東雲の道から法へ出るのだと、明け暮れの空をかけて、雲のまぎれに失せたことであった。

この作品の最後の場面です。謡曲「夕顔」の一覧から、もう一度読みたいところへ進めます。

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底本:謡曲二百番:四流対照 下巻 芳賀矢一訂(金港堂書籍、明治42年)。本文画像:所蔵機関の公開資料。

明治42年(1909)芳賀矢一訂『謡曲二百番:四流対照』下巻(金港堂書籍)所収「夕顔」(観世流)の本文を、国立国会図書館デジタルコレクションの原画像と照合した独自編集本文です。底本の主文(観世流)の字句を残し、他流の異文符は本文に含めていません。発音の読みと独自訳を添えています。