第2帖 帚木 / 第2場面
長雨の宮中で
あらすじ・人物・読み方
雨と物忌が重なり、源氏は宮中にとどまります。親しい頭中将も身近に出入りし、二人は気兼ねなく付き合います。
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現代語で読む
長雨が続き、晴れ間のないころ、宮中では物忌が続き、源氏がいっそう長く滞在しているので、大殿では、気がかりで恨めしいとお思いだった。それでも、あらゆる身の回りの品を、あれこれ新趣向を凝らして、〔大殿の家では〕心を込めて用意して届け、そのご子息たちも、もっぱら源氏の宿直所でのお世話に励んでいた。
宮さまを母にもつ中将は、とりわけ源氏と親しくなり、遊びや冗談も、ほかの人より気楽に、遠慮のない態度で振る舞っていた。右大臣が大切に世話をしてくださる妻の家も、この中将にとっても、ひどく気の進まない所で、恋に熱心な浮気者だった。
自邸でも、自分の居室を目を見張るほど立派に整え、源氏が出入りなさると、一緒に行き来して、昼も夜も、学問も遊びも、ともに過ごし、〔中将も源氏に〕ほとんど後れを取らず、どこででも源氏のそばにいらっしゃるので、自然に、改まった遠慮もなくなり、心の中で思うことも隠し通すことなく、親密に語り合っていた。
底本:北村季吟『湖月抄』延宝元年刊・国立国会図書館所蔵 本別3-1 [2]。本文画像:所蔵機関の公開資料。延宝元年(1673)刊『湖月抄』の大字本文を原画像とOCRで照合した独自編集本文です。通行字体・現行仮名へ写し、濁点・句読点を補い、反復符を展開しています。発音の読みと独自訳を添え、補った主語などは〔 〕で示します。