第44帖 竹河 / 第14場面
大君の懐妊
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現代語で読む
〔女御は〕七月からご懐妊なさってしまった。「ご懊悩なさる様子は、本当に、人々がさまざまに噂し煩わせるのも、もっともなことだ。どうしてこのような方を、並々に見聞きし過ごして終えようか」と思われる。〔院は〕明け暮れ、管弦の御遊びをさせなさりながら、侍従〔薫〕も気近く召し入れるので、〔女御は〕御琴の音などを聞きなさる。あの「梅が枝」に合わせた中将の御許の和琴も、常に召し出して弾かせなさるので、〔女御が〕聞き合わせるにも、並々には思われなかったのだった。
底本:北村季吟編『湖月抄』延宝元年[1673]刊・国立国会図書館蔵 本別3-1 第44冊。本文画像:所蔵機関の公開資料。延宝元年(1673)刊『湖月抄』の大字本文を原画像とOCRで照合した独自編集本文です。通行字体・現行仮名へ写し、濁点・句読点を補い、反復符を展開しています。発音の読みと独自訳を添え、補った主語などは〔 〕で示します。