ATAWI 古典文学JAPANESE CLASSICS, AT YOUR PACE

第44帖 竹河 / 第17場面

中の君の出仕の相談

あらすじ・人物・読み方

内裏住まいを勧められる中の君のことを、玉鬘は弁の君を使いにして夕霧に相談する。

下の同じ枠で原文・発音の読み・現代語を一節ずつ確認できます。どの読み方から始めても読了を記録できます。

表示と音声の設定

任意の復習へ

現代語で読む

「こうして、気安く内裏住まいもなさるがよい」と、〔玉鬘は〕お思いになるにつけても、「気の毒なことに、少将〔蔵人少将〕のことを、母北の方〔雲居雁〕がわざわざおっしゃったのに。〔少将を〕頼みに思わせ申し上げたようにほのめかし申し上げたことも、〔少将は〕どうお思いになっているだろう」と思い悩んでいらっしゃる。

弁の君〔右中弁〕を通して他意のないように、大臣〔夕霧〕に申し上げなさる。

「内裏から、このような仰せ言があるので、さまざまに、無理な交際を好むのかと、世間の聞こえもどうだろうと思いまして、悩んでしまったのです」と申し上げなさると、

「内裏の御不快は、お咎めになるのも、もっともなことと承ります。公の勤めにつけても、宮仕えなさらないのは、あってはならないことです。早く、お決心なさるべきです」と〔夕霧は〕おっしゃった。

底本:北村季吟編『湖月抄』延宝元年[1673]刊・国立国会図書館蔵 本別3-1 第44冊。本文画像:所蔵機関の公開資料。延宝元年(1673)刊『湖月抄』の大字本文を原画像とOCRで照合した独自編集本文です。通行字体・現行仮名へ写し、濁点・句読点を補い、反復符を展開しています。発音の読みと独自訳を添え、補った主語などは〔 〕で示します。