ATAWI 古典文学JAPANESE CLASSICS, AT YOUR PACE

第44帖 竹河 / 第8場面

夕霧邸での訴え

あらすじ・人物・読み方

卯月、少将は実家で父母に思いを訴え、玉鬘への歌を託す。夕霧と雲居雁は玉鬘に取り次ぐ。

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現代語で読む

翌日は、卯月になっていたので、兄弟の君たちが宮中へ参って行き来するのに、〔少将は〕ひどくふさぎ込んで眺めていらっしゃると、母北の方は涙ぐんでいらっしゃる。大臣〔夕霧〕も、「院のお耳に入るところもあるだろう。どうして、むやみに聞き入れようかと思って、悔しいことに、対面のついでにも、〔少将のことを〕言い出せずに終わってしまった。自分から強いて申し上げていたら、それでも〔院も〕お断りにはならなかっただろうに」などとおっしゃる。さて、いつものように、

花を見て春を過ごしてきましたが、今日からは、深い嘆きの下で迷うことになるのでしょう。

と〔少将は尚侍へ〕申し上げた。

底本:北村季吟編『湖月抄』延宝元年[1673]刊・国立国会図書館蔵 本別3-1 第44冊。本文画像:所蔵機関の公開資料。延宝元年(1673)刊『湖月抄』の大字本文を原画像とOCRで照合した独自編集本文です。通行字体・現行仮名へ写し、濁点・句読点を補い、反復符を展開しています。発音の読みと独自訳を添え、補った主語などは〔 〕で示します。