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謡曲「羽衣」 / 第1場面

三保の松原の朝

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三保の松原の朝をもとにした創作画
あらすじ・人物・読み方

春の朝、漁夫白龍(はくりょう)が連れの漁夫たちと三保の松原へ出る。白龍が松原の景色を眺めていると、虚空に花が降り音楽が聞こえ、松に色香の妙なる衣が掛かっている。白龍はこれを拾い、家の宝にしようと持ち帰る。

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謡曲「羽衣」・第1場面0 / 9
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原文・発音の読み・現代語

現代語で読む

白龍「一陣の風の早い三保の浦を漕ぐ舟の、浦人たちが騒ぐ波路であることよ。白龍「これは三保の松原に、白龍と申す漁夫でございます。

漁夫たち「万里の高山に雲がたちまち起こり、一楼の明月に雨が初めて晴れた。実にのどかな時であることよ。春の景色の松原の、波が立ち続ける朝霞、月も残る天の原、及ばない身の眺めにも、心が空になる景色であることよ。

地謡「忘れようか、山路を分けて清見潟、はるかに三保の松原に、立ち連れいざや通おうよ、立ち連れいざや通おうよ、風向きに三保の松原に、立ち連れいざや通おうよ、立ち連れいざや通おうよ、風向き吹く雲の浮き波立つのを見ては、吹く雲の浮き波立つのを見ては、釣りもせず人が帰るであろう。待てしばし、春ならば吹くものという朝風の松は常盤の声であることよ、波は音なき朝なぎに、釣り人は多く、小舟であることよ、小舟であることよ。

白龍「私が三保の松原に上がり、浦の景色を眺めていると、虚空に花が降り音楽が聞こえ、霊香が四方に薫ります。ただ事とは思われないところに、この松を見ると、美しい衣が掛かっていました。近寄って見れば、色香が妙であって普通の衣ではありません。どうしたことかと取って帰り、古老にも見せ、家の宝にしようと思います。

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底本:『謡曲二百番:四流対照』下巻 芳賀矢一訂、金港堂書籍、明治42年[1909](国立国会図書館蔵 94-567)所収「羽衣」。本文画像:所蔵機関の公開資料。

明治42年(1909)芳賀矢一訂『謡曲二百番:四流対照』下巻(金港堂書籍、国立国会図書館蔵 94-567)所収「羽衣」(観世流)の本文を、国立国会図書館デジタルコレクションの原画像と照合した独自編集本文です。底本の主文(観世流)の字句を残し、他流の異文符は本文に含めていません。発音の読みと独自訳を添えています。