謡曲「須磨源氏」 / 第6場面
尊霊の名乗りと夜明け
あらすじ・人物・読み方
光源氏の霊は、他生を助けるため都卒天より再び須磨へ降ったと名乗る。梵釋四王の八天から降るかと見えたその姿を、地は夜明けまで謡い納める。
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謡曲「須磨源氏」・第6場面0 / 6
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シテ「その名もよそに、白波の寄せるここは私の住まい。なおも他生の者を助けようと、都卒天より再びここに天降る。地「ああ、ありがたいおことです。所は須磨の浦であるので、シテ「四方の嵐も吹き落ちて、地「薄雲に隠れ、シテ「春の空。
地「梵釈四王の八天にお降りになるかと思われた。所柄、山賤へきらといわれた身も、赦し色の綺羅をまとい、青鈍の狩衣をたおやかにお召しになって、須磨の嵐に翻し、袂も青い海の波。颯々の鈴も駅路の、夜は山の方から明けるのだろうか。繰り返し、梵釈四王の八天にお降りになるかと思われた。所柄、山賤へきらといわれた身も、赦し色の綺羅をまとい、青鈍の狩衣をたおやかにお召しになって、須磨の嵐に翻し、袂も青い海の波。颯々の鈴も駅路の、夜は山の方から明けるのだろうか。
底本:謡曲二百番:四流対照 中巻 芳賀矢一訂(金港堂書籍、明治42年)。本文画像:所蔵機関の公開資料。
明治42年(1909)芳賀矢一訂『謡曲二百番:四流対照』中巻(金港堂書籍)所収「須磨源氏」(観世流)の本文を、国立国会図書館デジタルコレクションの原画像と照合した独自編集本文です。底本の主文(観世流)の字句を残し、他流の異文符は本文に含めていません。発音の読みと独自訳を添えています。