ATAWI 古典文学JAPANESE CLASSICS, AT YOUR PACE

謡曲「須磨源氏」 / 第5場面

旅寝の浦に聞こえる音楽

あらすじ・人物・読み方

興範が須磨の浦に旅寝すると音楽が聞こえ、都卒天から光源氏の霊が童男の姿で現れて青海波の舞楽を奏する。

原文の一節を選ぶと、発音の読みと現代語を確認できます。読むだけでは音は出ません。どの読み方から始めても読了を記録できます。

表示設定

音声設定

謡曲「須磨源氏」・第5場面0 / 9
原文の一節を選ぶか、「次の一節」で読み始めます。

原文・発音の読み・現代語

現代語で読む

ワキの言葉。「さては、源氏の大将が仮に人間の姿に現れて、私と言葉を交わしてくださったのか。さあ、今宵はここにいて、なおも奇特を拝もうと。

地の歌。「須磨の浦。野山の月に旅寝して、繰り返し、須磨の浦。野山の月に旅寝して。心を澄ます磯枕。波の音に託けて音楽の聞こえる声こそありがたい。須磨の浦。野山の月に旅寝して。心を澄ます磯枕。波の音に託けて音楽の聞こえる声こそありがたい。

後シテ「ああ、面白い海原よ。私が娑婆にあった時は光源氏といわれ、今は都卒天に帰って天上の住まいであるが、月に詠じて闇浮(えんよ)に下り、所も須磨の浦であるので、青海波の遊舞楽にひかれて、月の夜汐の波が返すという。波の花散る白衣の袖よ。地「玉の笛の音声が澄みわたる。シテ「笙・笛・琴・箜篌の、孤雲の響き。地「天も映るという須磨の浦の、荒海の波風がしんしんとしている。

地のロンギ。「雲となり雨となり、夢とも現実とも分からないところに、天より光が差す。その御影の中に新たに童男がおいでになる。さては名に負う、光源氏の尊霊か。

任意の復習へ

底本:謡曲二百番:四流対照 中巻 芳賀矢一訂(金港堂書籍、明治42年)。本文画像:所蔵機関の公開資料。

明治42年(1909)芳賀矢一訂『謡曲二百番:四流対照』中巻(金港堂書籍)所収「須磨源氏」(観世流)の本文を、国立国会図書館デジタルコレクションの原画像と照合した独自編集本文です。底本の主文(観世流)の字句を残し、他流の異文符は本文に含めていません。発音の読みと独自訳を添えています。