ATAWI 古典文学JAPANESE CLASSICS, AT YOUR PACE

謡曲「葵上」 / 第6場面

法力と成仏得脱

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法力と成仏得脱をもとにした創作画
あらすじ・人物・読み方

小聖が不動明王の真言を唱えると、霊は帰れと脅すが、行者は法力の尽きぬことを示して祈り重ねる。地謡が五大明王の力を謡い上げるうちに、霊は般若の声に退き、読誦の声に心を和らげて成仏得脱の身となる。

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謡曲「葵上」・第6場面0 / 12
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小聖「東方に降三世明王。ノウマク・サンマンダ・バザラダン(不動明王の真言)。生霊「どうだ行者。早く帰り給え。帰らずに不覚を取るなよ。小聖「たとえどのような悪霊であろうと、行者の法力が尽きるものかと、重ねて数珠を押しもんで(祈る)。

地謡「東方に降三世明王。生霊「南方に軍荼利夜叉。地謡「西方に大威徳明王。生霊「北方に金剛。地謡「夜叉明王。生霊「中央に大聖。地謡「不動明王。ノウマク・サンマンダ・バザラダン、センダ・マカロシャナ、ソワタヤ・ウンタラタ・カンマン。わが説を聴く者は大いなる智慧を得、わが身を知る者は即身成仏する。」

生霊「ああ恐ろしい般若の声よ。怨霊はここまでである。この後は再び来ることはあるまい。地謡「読誦の声を聞く時、読誦の声を聞く時、悪鬼は心を和らげ、忍辱慈悲の姿で、菩薩もここに来迎する。成仏得脱の身となって行くことの、有り難さよ、有り難さよ。」

この作品の最後の場面です。謡曲「葵上」の一覧から、もう一度読みたいところへ進めます。

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底本:『謡曲二百番:四流対照』上巻 芳賀矢一訂、金港堂書籍、明治42年[1909]所収「葵上」。本文画像:所蔵機関の公開資料。

明治42年(1909)芳賀矢一訂『謡曲二百番:四流対照』上巻(金港堂書籍)所収「葵上」(観世流)の本文を、国立国会図書館デジタルコレクションの原画像と照合した独自編集本文です。底本の主文(観世流)の字句を残し、他流の異文符は本文に含めていません。発音の読みと独自訳を添えています。