半蔀 / 第3場面
五条の旧宅
あらすじ・人物・読み方
女の教えに従って僧が五条あたりの旧宅を訪れると、蘢蓼深く鎖された宿の内から女の声が応え、愁嘆の泉の声と雨に濡れる樞の音が交わされる。
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半蔀・第3場面0 / 5
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ワキ「教えられたとおり五条あたりへ来て見れば、ほんとうに昔の居所です。そのまま宿も夕顔の、瓢箪はしばしば空しく、草顔淵が巷に茂っています。」
後ジテ「蘢蓼は深く生い茂って門を鎖しています。夕陽の残りの光が、新たに窓を穿って去ってゆきます。」
地「愁嘆の泉の声よ。」シテ「雨に原薏が樞(とぼそ)を濡らします。」地「それでも袖を濡らすのは、廬山の雪の曙です。」
底本:謡曲二百番:四流対照 下巻 芳賀矢一訂(金港堂書籍、明治42年)。本文画像:所蔵機関の公開資料。
明治42年(1909)芳賀矢一訂『謡曲二百番:四流対照』下巻(金港堂書籍)所収「半蔀」(観世流)の本文を、国立国会図書館デジタルコレクションの原画像と照合した独自編集本文です。底本の主文(観世流)の字句を残し、他流の異文符は本文に含めていません。発音の読みと独自訳を添えています。