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狂言「柿山伏」 / 第4場面

看病問答と追い込み

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看病問答と追い込みをもとにした創作画
あらすじ・人物・読み方

落ちて腰を打った山伏は、鳥類・畜類に例えられた非礼を責め、看病を命じる。祈祷のまねごとに柿主が転んで見せると得意がるが、なおも看病を言い張るため追い込まれて逃げ出す。

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現代語で読む

山伏「やいやい、やい、そこのお前。柿主「何事だ。

山伏「きこ、お前は憎い奴だ。さっきからこの尊い山伏を鳥類・畜類に例えている。その上、鳶だなどとぬかしている。そもそも山伏の修行を積んだ者は鳶にもなると聞いたので、飛んでみたところ、まだ産毛も生えていない者を、あの高い所から飛ばせて、したたか腰の骨を打ってしまった。お前の所へ連れて行って、看病をせい。

柿主「まだそんなことをぬかしている。柿を盗んで喰うような山伏を、どう看病しろというのだ。

山伏「看病しなければ、目に物を見せてやるぞよ。柿主「そりゃ誰が。山伏「身どもが。

柿主「お前が目に物を見せると言っても、大したことはあるまいぞ。

山伏「肝に銘じて、悔むなよ。柿主「どう悔むというのだ。

山伏「悔むな男。大霊の雲のしのぎ、年行の功を積むこといちぢきだんじき、立行居行、これほど貴い山伏に、どうして奇特(霊験)がないことがあろう。ほらをん。と言って祈る。知常(底本の字句)、柿主はシテの前に倒れる。

柿主「あれは何をぬかしている。あのような者には構わないのがよい。急いで帰ろう。と言って橋掛りへ行き、わざとひよろりと倒れる。

山伏「貴い山伏はこのようなものだ。連れて行って看病せい。柿主「何だ、看病せいとは。

山伏「中々(その通りだ)。柿主「お前、本気だと思っているのか。憎い奴め。

山伏「ああ、許してくれい。と言って逃げて入り、柿主は追い込んで入る。

この作品の最後の場面です。狂言「柿山伏」の一覧から、もう一度読みたいところへ進めます。

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底本:『和泉流狂言大成 第3巻』山脇和泉著、わんや江島伊兵衛、大正8年[1919](国立国会図書館蔵 6-364)所収「柿山伏」。本文画像:所蔵機関の公開資料。

大正8年(1919)山脇和泉著『和泉流狂言大成 第3巻』(わんや江島伊兵衛、国立国会図書館蔵 6-364)所収「柿山伏」(和泉流)の本文を、国立国会図書館デジタルコレクションの原画像と照合した独自編集本文です。底本の字句を残して通行字体に写し、句読点を補っています。発音の読みと独自訳を添えています。