ATAWI 古典文学JAPANESE CLASSICS, AT YOUR PACE

謡曲「夕顔」 / 第2場面

五条のあばら家に女の歌を聞く

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五条のあばら家に女の歌を聞くをもとにした創作画
あらすじ・人物・読み方

五条あたりに着いた僧は、あばら家から女の歌を聞く。現れた女は月の歌をうたい、この辺りが紫式部の筆に何某の院とだけ書かれた、執心の残る宿の跡だとほのめかす。

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謡曲「夕顔」・第2場面0 / 9
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旅僧の言葉。「急いでおりますうちに、もう五条あたりに来てしまったようです。不思議なことに、あの家のほうから、女が歌を吟じる声が聞こえてきます。しばらくここで待って、歌の主にも会いたいと思います。

夕顔「山の端の心も知らないまま、行く月は、うわの空で、光が絶えてしまうのでしょう。巫山の雲はたちまちに、陽台のもとに消えやすく、瀟江の雨はしばしば、楚畔(楚の川辺)の竹を染めるということです。

サシ「ここはまた、もとから名を得た土地で、古い軒端の忍草、忍ぶ思い出の多い宿を、紫式部が筆の跡に、ただ何某の院とだけ書き置いた世とは隔たっても、見たことも聞いたことも執心の名残で、色も香も捨てきれなかった。地謡「涙の雨は後の世の障りになるというのに、今もなお、つれなく通う心の浮雲を、払う嵐の風の間に、真如の月も晴れよと、むなしい空に仰ぐのである。

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底本:謡曲二百番:四流対照 下巻 芳賀矢一訂(金港堂書籍、明治42年)。本文画像:所蔵機関の公開資料。

明治42年(1909)芳賀矢一訂『謡曲二百番:四流対照』下巻(金港堂書籍)所収「夕顔」(観世流)の本文を、国立国会図書館デジタルコレクションの原画像と照合した独自編集本文です。底本の主文(観世流)の字句を残し、他流の異文符は本文に含めていません。発音の読みと独自訳を添えています。