ATAWI 古典文学JAPANESE CLASSICS, AT YOUR PACE

謡曲「源氏供養」 / 第3場面

紫式部の名乗り

あらすじ・人物・読み方

法印が供養を約束し、源氏を書いたのは誰かと問うと、女は紫式部であることをほのめかし、紫の色の掛け合いののち、名乗り得ずに雲のように消える。

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謡曲「源氏供養」・第3場面0 / 8
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シテの女。「まず石山に参って源氏の供養を営んでください。そうすれば、その時私も現れて、ともに源氏を弔いましょう。」ワキ。「うれしい、それこそ有り難い。では、源氏を書いたのは――」シテの女。「恥ずかしい、この身は浮世の土となりましたが、」ワキ。「名を埋めない苔の下に。」シテの女。「石山寺に立つ雲の――」ワキ。「紫式部でいらっしゃるな。」

シテの女。「恥ずかしい、色に現れるか、紫の――」地謡「色に現れる紫の。繰り返し。雲もあちらか、夕日の影が射して、それとも名乗りもできず、かき消すように失せてしまった。繰り返し。」

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底本:謡曲二百番:四流対照 上巻 芳賀矢一訂(金港堂書籍、明治42年)。本文画像:所蔵機関の公開資料。

明治42年(1909)芳賀矢一訂『謡曲二百番:四流対照』上巻(金港堂書籍)所収「源氏供養」(観世流)の本文を、国立国会図書館デジタルコレクションの原画像と照合した独自編集本文です。底本の主文(観世流)の字句を残し、他流の異文符は本文に含めていません。発音の読みと独自訳を添えています。