源氏物語 第16帖
関屋 せきや
あらすじ
任果てて上京する常陸介の一行と、石山寺へ詣でる源氏の行列が、逢坂の関で行き逢う。右衛門佐となった小君を介して文と歌を交わすが、空蝉との再会は叶わない。やがて常陸守が亡くなり、言い寄る河内守を厭うた空蝉は、人知れず尼になる。
この帖の人物
場面 第1–4場面
第1場面任果てて上る伊予介は常陸介となり、空蝉を連れて任に下っていた。源氏の須磨の流寓を遠く聞きながら便りもできず年月が過ぎ、源氏の帰京の翌秋、任果てて上京する。第2場面逢坂の関の行き逢い関に入る日、打出の浜で常陸介の一行は源氏の行列に出会い、木陰に車を避けてお通しする。源氏は右衛門佐となった小君を呼び寄せ、空蝉は人知れず涙の歌を心に詠む。第3場面右衛門佐を介する文の応酬源氏は右衛門佐に消息を託し、偶然の行き逢いを嘆く歌を送る。長年の疎遠を恥じらいながらも、空蝉は逢坂の関を詠んだ返歌を返す。第4場面常陸守の死と空蝉の出家老いた常陸守は子どもたちに源氏へ仕えるよう言い置いて亡くなる。未亡人となった空蝉に河内守が言い寄ると、空蝉は誰にも知らせず尼になる。
出典・底本
底本:北村季吟編『湖月抄』延宝元年[1673]刊・国立国会図書館蔵 本別3-1 第16冊。本文画像:所蔵機関の公開資料。延宝元年(1673)刊『湖月抄』の大字本文を、国立国会図書館デジタルコレクションの原画像(IIIF)と照合した独自編集本文です。通行字体・現行仮名へ写し、濁点・句読点を補い、反復符を展開しています。発音の読みと独自訳を添え、補った主語などは〔 〕で示します。