源氏物語 第27帖
篝火 かがりび
あらすじ
内大臣が筑紫から迎えた玉鬘は「今姫君」と世間の噂の的となり、源氏は内大臣の際立ったもてなしを嘆く。秋、源氏は玉鬘のもとへ通って琴を教え、月が早く入った夜、篝火の光に照らされた玉鬘へ恋の煙の歌を詠みかける。玉鬘は煙の返歌でその思いをかわし、夜は東の対の君たちとの管弦へと移ってゆく。
この帖の人物
場面 第1–3場面
第1場面今姫君の噂と源氏の嘆き内大臣が筑紫から迎えた姫君・玉鬘は、世間で「内の大殿の今姫君」と言いふらされ、源氏は内大臣の際立ったもてなしを嘆く。玉鬘は、親と知りながら馴れ親しまなかったことを幸いと思い知り、右近も言い聞かせる。源氏は玉鬘への思いを深めながらも押し切ることはせず、しだいに打ち解けてゆく。第2場面秋の夜、篝火の光と贈答歌秋、源氏は玉鬘のもとへしばしば渡って琴を教える。月が早く入った夜、消えかかる篝火を右近の大夫に灯し直させると、その光に照らされた玉鬘の姿は愛らしく、源氏は恋の煙の歌を詠みかける。玉鬘は煙に寄せた返歌で源氏の思いをかわす。第3場面東の対の管弦と三人の君たち帰りかけた源氏は、東の対から聞こえる笛と箏の音に立ち止まり、三人の君たちを招く。源中将の笛、弁少将の歌、頭中将の琴と管弦に興じ、源氏は御簾のうちに聞く玉鬘を思って言葉を残す。玉鬘への思いを秘める頭中将は、体裁よく振る舞い、心を許して弾き通すこともできない。
出典・底本
底本:北村季吟編『湖月抄』延宝元年[1673]刊・国立国会図書館蔵 本別3-1 第27冊。本文画像:所蔵機関の公開資料。延宝元年(1673)刊『湖月抄』の大字本文を、国立国会図書館デジタルコレクションの原画像(IIIF)と照合した独自編集本文です。通行字体・現行仮名へ写し、濁点・句読点を補い、反復符を展開しています。発音の読みと独自訳を添え、補った主語などは〔 〕で示します。