方丈記 / 第4場面
福原遷都
あらすじ・人物・読み方
同じ年、都は福原へ遷されたが、人々は新しい都に慣れることができず、冬には京へ戻った。
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方丈記・第4場面0 / 22
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また、同じ年の六月、〔朝廷が〕福原に都をお遷しになって、この〔平安〕京の始まりは、桓武天皇の御代で、百年余りを経て、世の人も、帝も、心安らかではなかった。
福原の地は、山にはさまれ、海に臨んで、波の音や潮風が絶えず、人の心もすさみ、車の往来も、まれであった。荘園のありさまも変わって、世の中は、とても心憂いものであった。
新しい都には、まだ慣れることができず、年老いた者は、〔京の〕地を離れて、嘆き悲しみ、若い者は、落ち着く場所もなく、さまよい歩いていた。同じ年の冬、〔朝廷が〕京にお戻りになって、世の中はしだいに静まってゆくようであったけれども、人の心は、なお定まらなかった。
底本:『方丈記』正保4年[1647]村上平楽寺刊(京都・二条通玉屋町)・国立国会図書館蔵 857-80。本文画像:所蔵機関の公開資料。正保4年[1647]村上平楽寺刊『方丈記』(国立国会図書館蔵 857-80)の本文を原画像と照合した独自編集本文です。通行字体・現行仮名へ写し、濁点・句読点を補っています。発音の読みと独自訳を添え、補った主語などは〔 〕で示します。