方丈記 / 第6場面
元暦の大地震
あらすじ・人物・読み方
元暦二年の大地震は山を崩し海を傾け、余震は三月続いた。大地の災いを四大の理で思う。
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方丈記・第6場面0 / 26
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また、元暦二年のころ、大きな地震があって、山が崩れて川を埋め、海が傾いて陸を浸し、白波は、両岸を越えて、船は波に任せて、漂っていた。
あるいは家の下敷きになり、あるいは地の裂け目に落ちて、死ぬ者は、数知れなかった。塵のような煙が空を覆い、地の震える音は、雷のように、恐ろしいものであった。
私の家は、小さな家だったけれども、日の当たる所にあって、父母は、孫を抱いて逃れ、その騒ぎは、言うのも愚かなほどであった。
揺れが止んでも、二、三か月、余震が一日に二、三度、二、三十度もあって、三月ほどは、絶えることがなかった。
四大〔地・水・火・風〕のうち、水・火・風は、いつも害をなすけれども、大地は、動くことがまれである。昔、斉衡・貞観のころ、東大寺の仏の頭が落ちたのも、その時のことだという。
底本:『方丈記』正保4年[1647]村上平楽寺刊(京都・二条通玉屋町)・国立国会図書館蔵 857-80。本文画像:所蔵機関の公開資料。正保4年[1647]村上平楽寺刊『方丈記』(国立国会図書館蔵 857-80)の本文を原画像と照合した独自編集本文です。通行字体・現行仮名へ写し、濁点・句読点を補っています。発音の読みと独自訳を添え、補った主語などは〔 〕で示します。