御伽草子「一寸法師」 / 第2場面
家出と上京
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あらすじ・人物・読み方
話を聞いた一寸法師は家を出る決心をし、針を帯び、こきを舟にして住吉の浦から都へ上る。
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御伽草子「一寸法師」・第2場面0 / 10
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親にも暇乞いをしようと思い、このように思われているのも口惜しいことだ。どこかへ行ってしまいたいと思い、〔このままでは〕片付けられてしまうかもしれないと思い、針を一つ、媼に乞うたところ、〔媼は〕取り出して与えた。そこで、麦藁で〔針の〕束鞘を作り、都へ上りたいと思ったが、都へ渡る舟もなくてはどうしたものかと、また媼に、いさぎ、箸と食べ物とを乞い受け、〔媼が〕引き留めても、立ち出てしまった。
住吉の浦から、こきを舟として乗り込み、都へ上っていった。
住み慣れた難波の浦を出発して、都へ急ぐ私の心であることよ。
こうして、鳥羽の津に着いたので、そこに〔舟を〕乗り捨てて、都に上り、あちらこちらを見るにつけ、四条五条のようすは、心にも言葉にも及ばない〔ほど見事であった〕。
底本:『御伽草子 後』今泉定介・畠山健校定、吉川半七、明治24年[1891](国立国会図書館蔵 913.49-O-I)所収「一寸法師」。本文画像:所蔵機関の公開資料。
明治24年(1891)今泉定介・畠山健校定『御伽草子 後』(吉川半七、国立国会図書館蔵 913.49-O-I)所収「一寸法師」の本文を、国立国会図書館デジタルコレクションの原画像と照合した独自編集本文です。底本は渋川版の本文を明瞭な字形で伝える明治の校定本で、通行字体・現行仮名へ写し、句読点を補っています。発音の読みと独自訳を添え、補った主語などは〔 〕で示します。