ATAWI 古典文学JAPANESE CLASSICS, AT YOUR PACE

物語の中の和歌

竹取物語

石作皇子 から かぐや姫 へ

海山の
底は心を
尽くし果て
みいとの涙
なかれき

海や山の底まで心を尽くし果て、〔御鉢のために〕涙が流れた。

発音の読み:うみやまの / そこわこころお / つくしはて / みいとのなみだ / なかれき

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石作皇子 から かぐや姫 へ

しら山に
あへば光の
うするかと
鉢を棄てても
頼まるるかな

白山に〔合わせれば〕光が薄れてしまうかと思って、鉢を棄ててしまったのに、〔まだ私を〕頼みにされるのですね。

発音の読み:しらやまに / あえばひかりの / うするかと / はちおすてても / たのまるるかな

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車持皇子 から かぐや姫 へ

いたづらに
身はなしつとも
玉の枝を
手折らでさらば
歸らざらまし

命を無駄に捨てることになっても、玉の枝を手折らずに帰ることは、決してなかったでしょう。

発音の読み:いたずらに / みわなしつとも / たまのえだお / たおらでさらば / かえらざらまし

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竹取の翁 から 車持皇子 へ

呉竹の
世世の竹取り
野山にも
さやは恋しき
ふしを見し世も

呉竹の、世々の竹取が野山で〔竹を取るように〕、ああ恋しい、節を見た世も〔あったことだ〕。

発音の読み:くれたけの / よよのたけとり / のやまにも / さやわこいしき / ふしおみしよも

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車持皇子 から 竹取の翁 へ

わが袂
けふかわけければ
恋しさの
千種のかきも
わすられぬべし

私の袂が今日乾いたならば、恋しさの千種の思いも、忘れられてしまうことでしょう。

発音の読み:わがたもと / きょうかわけければ / こいしさの / ちくさのかきも / わすられぬべし

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かぐや姫 から 車持皇子 へ

まことかと
聞きて見づれば
言の葉を
飾れる玉の
枝にぞありける

本当かと思って聞いて見てみれば、言葉を飾っただけの玉の枝であったことだ。

発音の読み:まことかと / ききてみづれば / ことのはお / かざれるたまの / えだにぞありける

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阿倍の御主人 から かぐや姫 へ

かぎりなき
思ひに焼けぬ
皮ごろも
袂乾きて
今日こそは見め

限りない思いに焼けない皮ごろも、袂が乾いて、今日こそは〔姫に〕お会いできるでしょう。

発音の読み:かぎりなき / おもいにやけぬ / かわごろも / たもとかわきて / きょうこそわみめ

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かぐや姫 から 阿倍の御主人 へ

名残なく
もゆと知りせば
かは衣
なれもひの外に
置きて見ましを

惜しむ間もなく燃えてしまうと知っていたら、皮衣よ、慣れた思いのほかに置いて、よく見たでしょうに。

発音の読み:なごりなく / もゆとしりせば / かわごろも / なれもひのほかに / おきてみましお

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かぐや姫 から 石上麻呂 へ

年を經て
波立よらぬ
住の江の
まつらひ惜しと
聞くはまことか

年月を経て、波も立たない住の江の、松を惜しむと聞くのは、本当のことですか。

発音の読み:としおへて / なみたちよらぬ / すみのえの / まつらいおしと / きくわまことか

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石上麻呂 から かぐや姫 へ

死ぬる命を
すくひやらせぬ
かひなく
かくありける
ものをこびはてて

死にゆく命を、救いもできない、かいもなく、こんなことになってしまったものを、乞い果ててしまったことだ。

発音の読み:しぬるいのちお / すくいやらせぬ / かいなく / かくありける / ものおこびはてて

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帝 から かぐや姫 へ

歸るさの
みゆき物憂く
おぼほれて
そむきてとまる
かぐや姫ゆゑ

帰り道の行幸が物憂く感じられて、ぼんやりとしてしまう。背いて留まるかぐや姫のゆえに。

発音の読み:かえるさの / みゆきものうく / おぼほれて / そむきてとまる / かぐやひめゆえ

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かぐや姫 から 帝 へ

葎はふ
下にもとは
經ぬる身の
なにかはたまの
うてなをも見む

葎の茂る下でさえ、長く月日を経てきた身なのに、どうして玉の御殿などを見ることがありましょう。

発音の読み:むぐらはう / したにもとわ / へぬるみの / なにかわたまの / うてなおもみん

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かぐや姫 から 帝 へ

今はとて
天の羽ごろも
著るをりぞ
君をあはれと
思ひいでぬる

今は、といって天の羽衣を着る折にも、あなたを哀れと、思い出されるのです。

発音の読み:いまわとて / あめのはごろも / きるおりぞ / きみおあわれと / おもいいでぬる

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