ATAWI 古典文学JAPANESE CLASSICS, AT YOUR PACE

源氏物語 第32帖

梅枝 うめがえ

あらすじ

年が改まり、明石の姫君の裳着と入内の準備が進む。正月の薫物合わせでは御方々の香が競われ、二月には兵部卿宮を迎えて管弦と歌の応酬が繰り広げられる。源氏は姫君のために古筆の手本を選び、若い人々に書を競わせる。一方、内大臣はわが姫君の行く末を案じ、中務宮との文のやり取りが始まる。

この帖の人物

場面 第1–5場面

第1場面裳着の仕度と薫物合わせ明石の姫君の御裳着と春宮の御元服が二月に重なる年明け。正月の晦日、源氏は薫物合わせの準備をし、二条院の倉を開けて古い香や錦・綾を点検し、香を御方々に配る。源氏は承和のいましめの二方を秘かに合わせ、紫の上は八条の式部卿の御方と挑み合う。第2場面兵部卿宮の来訪と沈の筥二月十日、紅梅の盛りに兵部卿宮が訪れる。源氏は宮の消息をほほえましく引き隠し、沈の筥に瑠璃の坏を据え、心葉には松、白には梅の枝を結んだ香を見せる。宮は歌を詠じ、源氏は返歌する。夕暮れの試し焚きに備え、御方々の香が集められる。第3場面薫物の判定溝水のほとりから掘り出された沈などを加え、御方々の香の判定が始まる。斎院の黒方は静やかで心にくく、紫の上の梅花ははなやか、夏の御方の荷葉、冬の御方の薫衣香と、それぞれの個性が語られる。月が出て酒宴となり、昔の物語に花が咲く。第4場面管弦の遊びと歌の応酬蔵人所の笛の音に誘われ、殿上人たちを留めて管弦の遊びが始まる。蛍宮が鴬の歌を口ずさむと源氏が応じて歌を賜い、若者たちは笛に寄せて歌を詠み交わす。明け方に帰る宮へ、源氏は薫物を贈り歌を添え、宮は車の中から返歌を送る。第5場面明石の姫君の裳着その夜、西の御殿で藤壺を腰結いに、明石の姫君の裳着が行われる。源氏は、姫君を人目に触れさせてきたことを心狭く思い、藤壺は若く愛敬づいた姫君の姿に見入る。春宮の御元服は済んだが、姫君の御参りは四月に延ばされ、左大臣殿の三の君が先に入内する。

場面 第6–8場面

出典・底本

底本:北村季吟編『湖月抄』延宝元年[1673]刊・国立国会図書館蔵 本別3-1 第32冊。本文画像:所蔵機関の公開資料。延宝元年(1673)刊『湖月抄』の大字本文を、国立国会図書館デジタルコレクションの原画像(IIIF)と照合した独自編集本文です。通行字体・現行仮名へ写し、濁点・句読点を補い、反復符を展開しています。発音の読みと独自訳を添え、補った主語などは〔 〕で示します。