ATAWI 古典文学JAPANESE CLASSICS, AT YOUR PACE

紫式部集の原文

はやうより螢友だちありし人に年頃經て行あひたるがそのかみにて十月十日のほど月にさはひて歸りにければめぐり逢て
見しやそれ共
わかぬ間に
雲隠れにし
夜半の月哉

その人遠き所へ行くありけり秋のはつる日きたる曉に虫の聲あはれありあきよわる
生垣
の虫もとめが
たき秋の別や
かおしかるらん

さうのことばしといひたりける人まゐりて御手より文とある返事に聲去げき
螢が中の
虫のねを
おぼろげにてや
人のたづねん

方たがへにわたりたる人のおはれば、くしき事ありて歸りにけるつとめて朝がほの花をやるとておぼつかあ
それかわらぬか
明ぐれの
空おぼれする
朝顔の花

かへし手を見ゑかざるをや有けんいづれぞと
色わくほどに
朝顔の
有かあきかに
あるぞ悲しき

つくしへゆく人のむすめのかへし西の海を
思ひやりつつ
月みれば
たゐにあかるゝ
風にも有哉

にしへ行く月の便に玉づさのかきたえめやと雲のかよひぢはるかある所にゆきやせんゆかずやとおもひわづらふ

人の山里より紅葉を折てこせたる露ふかき
おく山里の
もみぢ葉に
かよへる袖の
色を見せばや
かへし嵐ふく
遠山里の
もみぢ葉は
つゆもとまらん
ことのかたさよ

又その人のもみぢ葉を
さそふ嵐は
はやけれど
この下あらで
ゆく心かは

物思ひわづらふ人のうれへたる返事に霜月ばかり霜氷
とぢたるころの
水ぐきは
えもかきやらぬ
心地のみして
かへしゆかずとも
なはかきつめよ
霜氷
水の上にて
おもひながさん

賀茂にまゐでたるに子規あかんといふ明ぼのにかた岡の梢をかしらみえけり杜鵑
こゑまつ程は
かた岡の
そりの去づくに
たちやぬれまし

やよひの一日河原に出たるにかたはらある車に法師のかみをからぶりにてはかせたちをるをにくみてはらへどの
神の飾の
みてぐらに
うたてもまがふ
みゝはさみ哉

おぬありし人をくあり又人のたどゝうしあひたるかたみに行あひてあきがかはりに思ひかなさんといひけり文の上にあねぎみとかき中の君とかきかよひしけるがたのがじゝ遠き所へ行別るゝによそあがら別をしみて北へゆく
かりの翅に
ことづてよ
雲のうはがき
かき絶ずして

かへしは西のうみの人あり行めぐり
誰も都
にかへる山
いづかたときく
やどのはるけさ

津の國といふ所よりねこせたりける難波がた
むれたる鳥の
諸共に
たちぬるものと
思ひましかば

かへし筑紫の肥前といふ所より文かこせたるをいと遠ある所にてみけりその返事におひみんと
思ふ心
はまつらあるか
いみの神
や空に去るらん

かへし又の年もてきたる行めぐり
逢をまつらの
鏡にい
たれをかけつゝ
祈るとか去る

近江のみづ海にて三尾が崎といふところにあみひくを見てみをの海
に網ひく民
の隙も
なくたちゐにつけて
都こひしも

いそのはまに鶴の聲々にあくをいそがくれ
同じ心に
たづぞあく
あがおもひ出る
人は誰ぞも

夕立去ぬべしとて空のくもりてひらめくにかき曇り
夕だつ涙
の荒ければ
うきさたる舟ぞ
去づこゝろあき

去はつ山といふ道のいと去げきを去づのをおやしきさまどもして猶からさ道なりやといふをきゝて知ぬらん
往來にならす
去はつ山
世にふる道は
からさ物ぞと

水うみにあいつ潟といふ洲はきにむかひてわらはべの浦といふ入海のをかしさをたちずさみに老津嶋
去まもる神や
いさびらん
涙もさわがは
わらはべの浦

こよみに初雪ふるとかきたる日めに近きひのゝたけといふ山の雪いとふかう見やらるればかへしこゝにかく
日野
の杉村埋む雪
をしはの松に
今日やまがへる
をしは山松
の上葉
に今日や
さはみねのうす雪
花とみゆらん

ふりつみていとむつかしき雪をかきすてゝ山のやうに去あしたる人々のぱうて猶これ出て見たまへといへば故郷
にかへる山路
のそれあらば
心やゆくと
ゆきもみてまし

年かへりてからひをみにゆかんといひける人の春にとくる物といかで去らせたてまつらんといひたるに春あれど
去らねのの雪
いや積り
とくべき程の
いつとあき哉

近江の守のむすめにけさうすとさく人のふたていろあしあを常にいひわたりけれはうるさくて水うみに
友よぶ千鳥
ことあらは
やすの港を
こめたえあせそ

うたゑに海士の鹽やくかたをかきてこりつみたるあげさのもとにかきてかへしやる四方
の海に鹽燒蟹
の心か
らやくとにかゝる
あげきをやつむ

ふみのうへに朱といふ物をつぶつぶとそゝぎかけて涙の色をとかきたる人のかへしに紅の涙に
いとうとう
まるゝうつる
ころのいろと
みゆれば

もとより人のむすめを得たる人ありけり文ちらしけりとさゞてありし文をもとりあつめてこせず返事かゝゞとことばにてのみいひやりけれはみあかこすとていみじくゑんじたるけれは正月十日はかりのことありさだたりし
らへの海らひ
解あがらさゐ
たえぬとや山の
下水
すかされていとくろうありたるにおこせたる今は物もきこえじと腹だちたれは笑ひてかへしこち風に
解るはかりを
底見ゆる
いは間の水の
たえは絶なん

いひたえはさこそれたえめ何か其三原の池をつゝみしもせん夜中はかりに又猛
からぬ人かすあみの
海か
へり三原の池に
たてどかひあし

櫻をかめにさして見るにとりもあへずちりけれは桃の花を見やりてをりて見
はちかまさり
せよ桃
の花思ひぐまなき
櫻をしまに
かへし人もゝといふ
名もあは
る物を時
の間にちる櫻に
も思ひたどさし

花のちる頃梨の花といふも櫻も夕ぐれの風のさわぎにいづれと見えぬ色あるを花といは
いづれか匂
あしとみん
散紛ふ色の
異あらなくに

遠き所へ行にし人のあくなりてけるを親はらかうあと歸りきて悲しき事いひたるにいづ方
の雲路と
さかは尋ねまし
つら離れけん
雁のゆくへを

こぞよりうすにびある人に女院かくれさせたまへる春いたら霞みたる夕暮に人のさしおかせたる雲の上も
物思ふ春の
霞染に
かすむそらさへ
あられあるかあ
かへし何かこの
程あさ袖を
ぬらすらん
霞のころも
あへてきる世に

あくありにし人のむすめのかやの手にてかきつけたるける物を見ていひたるし夕霧
にみし方か
れし鷺の
子の跡をみるゝ
まとはるゝかあ

同じ人荒たる宿の面白き事とて折ておこせたるにちる花
を數さし
人ゐこのも
のゝ寂しき事や
かねて去りけん

思ひたえせぬとあき人のいひける事を思ひ出たる也綸にものゝけつきたる女のみなひさがたかきたるらしろに鬼にありたるもとの女を小法師の去はらひたるかたかきてをとこに經よみて物のけせめたる所をみてあき人に
かひゝとをかけて
煩ふものゝが
心の鬼に
やはあらん
かへしことわりや
君が心
の闇あれば
鬼のかげとは
去るくみゆらん

繪に梅の花見るとて女のつま戸おしあけて二三人ゐたるに指人々ねたるけしきかいたるにいとさたすぎたるをとこのつらづえついてあがめたるかたある所春の夜の
やみの迷に
色あらぬ
こゝろに花の
香をぞ去めつる

おなじ繪に嵯峨野に花みる女車ありあれたるわらひの萩の花にたちよりてをりとる所さを鹿
の去かあらひせる
萩なれや
立寄からに
おのれをれふす

世のはかあきことをあげくころ陸奥に名ある所々かいたるを見て去はがまの浦みし人の
けふりとありし
夕べより
名もむつまじき
鹽竈の浦

かどたゝきわづらひて歸りにける人のつとめてよと共に
あらさ風ふく
西の海も
磯べに波は
よせすとやみん
とうらみたりける返事にかへりては
思ひ去り
ぬや岩
かどに浮てより
ける岸のあだ波

年かへりてかどはあきぬやといひたるにたが里
の春のたより
に鶯の
かすみにどつる
やどをとふらん

世中のさわがしきころ朝顔を人のもとへやるとて消ぬ間の身を
は去るゝく
朝顔の
露とあらそふ
世を驚くかな

世をつねあしあと思ふ人のをさあき人のあやみけるにから竹といふものかめにさしたる女房のいのりけるをみて若竹の
れひゆく末を
いのるかな
此よをうしと
いまふ物から

身をかもいはずあるとなげく事のやうらくあのめにひたぶるのさえあるを思ひける數あらぬ
心に身をは
まかせねど
身に去たがふは
心ありけり
心だに
いかある身
にか適ふらん
思ひ去れど
も思ひ去られず

はじめて内わたりをみるにも物のおれあれば身のうさは
心のうちに
去たひきて
今こゝのへに
思ひ乱るゝ
うきことと
思ひ乱れて
靑柳
のいとひさしくも
なりにける哉
かへしつれゝゝと
あがき春日
は靑柳
のいとゝ憂世
に乱れてぞふる

いかがかりおもひぞ去ぬべき身をいとゝいたう上手めくかあといひける人をきゝてわりなしや
人こそ人と
いはざらめ
みづから身をや
思ひ捨べき

くすだまれこすとて忍びつる
袖ぞ現るゝ
菖蒲草
いはぬにくちて
やみぬべけれは
かへしけふはかく
ひきける物を
菖蒲草
我みがくれに
ぬれ渡りつる

土御門殿にて三十講の五日五月五日にあたりしに妙なり
や今日は
五月の五日
とて五つのなきに
あへる御法も

其夜池のかゝり火にみわかしの光りあひてひるよりもそこまでさやかあぶにさらふの香いまめかしうにやひくれはかゝり火
の影も
さわがね池水
に幾千代すまん
法のひかりぞ

おはやけどとにいひえぎらひすもひかひたまへる人ゐさしも思ふ事もしたまふまじきかたちありさまよゐひのはどをいたう心ふかげに思ひみだれて澄る池の
底までてらす
籬火の
まがゆきまでも
らさ我身かあ

やうらくあけゆくはどにわたどのにきてつばねの去たより出る水をかららんおさへて去はし見居たれは空のけしき春秋のかすみにもさりにもおとらぬ比はひあり小少將のすみの格子をうちたゝきたれはあちておしおろし給へりもろともにおりぬてあがめあたり影みて
もうさきわが
涙落そひて
かどとがまし
き瀧のおとかな
かへし獨ゐて
涙ぐみける水
のおも
にうきそはるらん
影やいづれと

おからなれはいりぬあがき根をつゝみてあべて世の
うきに流るゝ
菖蒲草
けふ迄かゝる
ねはいかいみる
かへし何事と
あやめはわかで
今日も猶
袂にあまる
ねこそたえせね

うちに水鷄のあくを七八日の夕月夜にこ少將の君天の戸の
月の通路
さゝねども
いかなる方に
たゝくくひなど
かへし帳の戸も
さゝでやすらふ
月影に
何をわかすと
たゝく水鷄ぞ

夜ふけて戸をたゝきし人つとめてよもすがら
水鷄よりけに
あくゝくぞ
帳の戸口に
叩き侘つる
かへしたいあらじ
と斗叩く
水鷄ゆゑ
明けてはいかに
悔しからまし

朝霧のをかしきほどおまへの花をばいろいろにみだれたる中に女郎花いとさかりなるを殿御らんとて一文だ折らせ給ひて几帳のかみよりこれたいにかへすあとて給はせたり女郎花
さかりの色を
みるからに
露のわきける
身社去らるれ
とかきたるをいとゝく白露
はヱさても
おかじ女郎花
てゝろからに
や色のそむらん

ひさしくれとづれぬ人を思ひいでたる忘るゝ
は憂世の
常と思ふに
も身をやるかたの
あきぞ侘しき
かへしたがさとも
とひもやくるど
郭公
心のかぎり
まちどわびにし

都のかたへとてかへる山こえけるによび坂といふあるところのいとわりあきかけぢにこしもかきわづらふをおそろしと思ふに猿の木の葉の中よりいとおほくいでさたれはましも猶
遠方人の
跡かはせ
われこしわぶる
たこのよびざか

水海にていふぎの山の雪いと白く見ゆる名に高き
こしの白山
ゆきあれて
伊吹の嶽を
あにとこそみね

そどゝのとし經たるがまろびたふれつゝ人にふまゐるを心あてに
あかたじけな
苔むせる
佛の御顔
そとはみえねど

人のけおかくて
誰も心
はみえに
けん言葉隔てぬ
ちぎりともがあ
かへしへたてじと
あらひしはどに
夏衣
うらすき心を
まづ去られぬる
額さむみ
岩間こはれる
谷水の
ゆくすゑしもぞ
深くあるらん

宮の御うぶや五日の夜月のひかりさへことにくまあき水のうへのちしにかんだちめ殿よりはじめてたてまつりて名ひみだれのゝしり給ふ盃のをりにさしいづ珍しき
光さしそふ
さかづきは
もちあがら社
千代はめぐらめ
又の夜月のくまあきにわか人たち舟にのりあそぶを見やる中嶋の松をさしめぐる程をかしく見ゆれはくもりなく
千歳
にすめる水
の面に宿れる月
の影ものどけし
御いかの夜殿の歌よめとのたまはすれはいかにいかゝ
數へやるべき
八千歳の
あまり久しき
君が御代をは
殿おしたづの
齢しあれば
君が
代の千歳のかず
も數へどりてむ

たまさかに返ことしたるける人後にも又もかゝざりけるにをとこ折々に
かくどは見えて
さゝがにの
いかに思へは
絶るある覧

かへし九月つでもうに成にけり霜枯の
淺茅に紛ふ
さゝがにの
いかなるをりに
かくと見ゆらん

何のをりにか人の返事にいる方に
さやかありける
月影を
うはの空にも
待し夜半かあ
かへしさして行く
山の端も皆
かきくもり
心のそらに
さえし月かげ

又同じ頃九月つきあかき夜おやかたの
秋の哀を
思ひやれ
月にこゝろは
あくがれぬとも

六月はかり撫子の花を見て垣根はれ
爽しさまさる
床夏に
露かきそはん
わきまでも見じ

物やおもふと人のとひたまへる返事九月つでもり花薄
葉分の露や
あにゝかく
かれゆく野遊に
さえとまるらん

わづらふことある頃ありけりかひぬまの池といふ所なんある人のあやしき歌がたりするをきゝてこゝろみによまんといふ世にふるに
あざかひ沼の
いけらじと
思ひぞ沈む
底は去らねど
又心地よげにいひあさんとて心ゆく
水の景色は
今日ぞみる
こや世にへつる
かひ沼のいけ

侍從宰相の五節のつばね宮のれまへいどけぢかき弘徽殿の右京がひど夜去るささまにてありし事あど人々いひ出て日かげをやるさしえぎらはすべきあふぎあどそへて多かりし
とよの宮人
さしわきて
去るきひかげを
哀とぞみし
中將少將ど名ある人々のおあどはそどにすみて少將の君をよあゝゝあひつゝかたらふをきゝてどありの中將三笠山
同じふもとを
さしわきて
霞にたにの
へだてつるかな
かへしさしてみて
いることかたみ
三笠山
霞ふきとく
風をこそまて

紅梅を折て里よりまなうらすとて埋木の
下にやつるゝ
梅の花
香をだにちらせ
くものうへまで

卯月に八重櫻の花を内にて九重は
匂ふを見れば
櫻がり
かさねてきたる
はるのさかりか
さくらの花のまつりの日までちりのこりたるつかひの少將のかざしに給ふとて葉にかく神代
にはありもや
しけん山櫻けふの
かざしに
折れるためしは

む月の三日內より出てふるさとのたいしのはざにこよなうちらつもり荒まさりにけるをこといみもしかへず改めて
けふしも物
の悲しきは
身のうさやまたさき
變りぬる

五節の程まゐらぬをくちをしなど辨宰相の君ののたまへるに珍らしど
君し思は
いきてみえん
すれる衣の
はどすぎぬども
かへしさらば君
やさぬの
衣すぎぬ
ども戀しき程に
きてもみえあん

人のおとせたるうち忍び
數き明せば
去のゝめの
はがらかにだに
夢をみぬ哉

七月ついたち頃あけほのありけりかへし去のゝめの
空霧わたり
いつしかに
秋の景色に
世は成にけり

七日大方を
思へばゆかし
天の河
今日のおふせは
うららやまれたり
かへし天の河
おふ瀬はよその
くも井にて
絶ぬ契し
世々におせずは

かとの前より渡るとてうちとけたらんを見んとあるにかきつけてかへしやるなはざりの
便にとゐん
人毎に
打とけてしも
みえじどぞ思ふ

月見るあしたいかにいひたるにかよとめをも
夢といひし
か誰あれや
秋の月にも
いかでかはみし

九月九日菊のをたをうへの御かたよりたまへるに菊の露
わかゆはかりに
袖ふれて
花の主人に
千代はゆづらん

時雨する日少將の君里より雲間あく
詠むる空を
かきくらし
いかに忍ぶる
時雨あるらん
かへしこどわりの
時雨
の空は雲間あれど
詠むる袖ぞ
乾く世もあき

さとに出て大納言の君文給へるついでに浮寐せし
水の上
のみ戀しくて
鴫のうはげに
さえぞれとらぬ
かへし打拂ふ
友あき頃の
ねざめには
つがひし鷺ぞ
夜半にこひしき

又いかなりしにかなにはかり
心づくし
にあがめぬ
とみしにくれぬ
る秋の月哉

すまひ御らんずる日内にてたづさあき
旅の空ある
すまひをば
雨もよに問ふ
人もあらじあ
かへしいどむ人
あまた聞ゆる
百敷の
すまひらしどは
思ひ去るやは
雨ふりて其日は御らんどいまゝりけるあいあのれややけこといもや

初雪ふりたる夕暮に人の戀わびて
ありふる程
の初雪
は消ぬるかどぞ
うたがはれぬる
かへし降れはかく
らさのみまさる
世を去らで
荒たる庭に
積る初雪

小少將の君のかき給へるうちとけ文の物のおかああるをみつけて加賀少納言のもどに暮ぬ
間の身をば
思はで人の
よの哀を去るど
かつはかあしき
誰か世に
長らへてみん
かきどめし
跡は消せぬ
形見あれども
かへしあき人
を忍ぶる事
もいつまでど
今日の哀は
あすのわが身を

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底本:『日本歌学全書 第3編』佐々木弘綱・佐々木信綱共編並標註(博文館、明治24年[1891])。本文画像:所蔵機関の公開資料。

明治24年(1891)佐々木弘綱・佐々木信綱共編並標註『日本歌学全書 第3編』(博文館)所収「紫式部集」の本文を、国立国会図書館デジタルコレクションの原画像と照合した独自編集本文です。底本の字句を残し、標註・傍註は転写していません。発音の読みと独自訳を添えています。

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