熊野
遠江国池田の宿の長者の娘。シテを務める。平宗盛に召されて都に留め置かれ、病の老母を見舞うため暇を乞い続ける。花見の宴で短冊に詠んだ一首が宗盛の心を動かし、東への帰郷を許される。

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母の病と、一首の歌。都に留め置かれた熊野が、花見の宴で詠んだ歌によって帰郷を許されるまでの謡曲です。熊野は遠江国池田宿(現・磐田市)の長者の娘とされます。
遠江国池田の宿の長者の娘・熊野は、平宗盛に召されて都に留め置かれている。病の老母を見舞うため再三暇を乞うが許されず、花見の車に同乗させられる。清水の花の宴で、にわか雨に散る花を見て詠んだ一首が宗盛の心を動かし、熊野はついに東への帰郷を許される。
挿絵・人物画は本文をもとにした創作イメージです。原典の図版や史料の再現図ではありません。
底本:『謡曲全集 上巻』大町桂月・丸岡桂 校、至誠堂、明治45年[1912](国立国会図書館蔵 特63-605)所収「熊野」。本文画像:所蔵機関の公開資料。
明治45年(1912)大町桂月・丸岡桂 校『謡曲全集 上巻』(至誠堂、国立国会図書館蔵 特63-605)所収「熊野」の本文を、国立国会図書館デジタルコレクションの原画像と段落単位で照合した独自編集本文です。底本の字句を残し、句読点を補っています。発音の読みと独自訳を添えています。