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菅原孝標女 / 平安

更級日記

あらすじ

菅原孝標女が、少女期の物語への憧れから晩年の夢と信仰までを回想した日記。寛仁4年(1020)の上総からの帰京の旅に始まり、源氏物語を読みふける日々、姫君や乳母の死、石山・初瀬への物詣、祐子内親王家への出仕と春秋の論、源資通との交わり、夫藤原俊通の死と阿弥陀仏の夢までを記す。底本は吉川秀雄編『新註更級日記』(精文館書店、大正15年)で、御物本の本文を用いる。

この作品の人物

肖像は物語をもとにした創作画です。人物の年齢・衣装は場面によって変わります。

菅原孝標女

『更級日記』の作者。菅原孝標の娘。幼くして上総で物語に憧れ、京に上って源氏物語を読みふけり、祐子内親王家に出仕した。晩年は夢と信仰に心を寄せて日記を綴る。サイトに既存IDがなかったため新規に付した。

呼び名:筆者・更級日記の作者

菅原孝標

作者の父。菅原道真の五代の孫。上総介として任国に下り、後に常陸介となる。石山詣の折、懐紙に腰折歌を書く。東国への下向が作中の大きな転機となる。

呼び名:父・てて

母

作者の母。作中では「はは」とのみ呼ばれる。上総からの帰京後ほどなく亡くなり、野辺に遺骨を尋ねる記事の中心となる。

呼び名:はは

姉

作者の姉。上総からの旅を共にし、京でも近くに暮らす。

継母

作者の継母。東国へ下る折の別れに歌を贈答する。乳母の死と前後して作者のもとを離れる。

乳母

作者の乳母。京に上って後、三月一日に亡くなる。作者が深く悲しんだ一人。

竹芝の男

旅の途中で聞く竹芝寺の伝説の主人公。帝の御女を連れて武蔵に下り、竹芝寺の由来となったと語られる。伝説の中の人物。

帝の御女

竹芝寺の伝説に現れる帝の御女。竹芝の男に連れられて武蔵に下る。伝説の中の人物。

呼び名:宮

叔母

作者の叔母。京で作者に源氏物語五十余巻を与えた人。

藤原行成の女(姫君)

大納言藤原行成の娘。作者の親しい友。拾遺集の歌を書いて見せるなど風流な交わりがあったが、若くして亡くなる。

呼び名:姫君

藤原長家

藤原道長の子。姫君(行成の女)の夫。作中では「殿の中将」と呼ばれる。

呼び名:殿の中将

北の方の人

作者に長恨歌を貸した人。天の川をめぐる歌を贈答する。作中では通称のみで現れる。

猫

作者の家に来た猫。夢の中で言葉を交わし、侍従大納言の御女の生まれ変わりであると告げる。夢の中の存在として現れる。

親族の人

作者の親族。母の遺骨を野辺に尋ねる折に歌を交わす。

姉の乳母

作者の姉の乳母。母の遺骨を野辺に尋ねる折の歌の応酬に加わる。

同行の人

東山の山里で作者と起居を共にする人。月やほととぎすをめぐって歌を交わす。

知りたる人

作者の知人。山里にあって歌の応酬に加わる。作中では通称のみで現れる。

親しき人

作者の親しい人。山里の秋の頃に歌の関わりがある。作中では通称のみで現れる。

吉野山の尼君

吉野山の尼。雪の吉野を詠んだ歌の主として本文に現れる。

修学院の尼

修学院に住む作者の親族の尼。夏の茂りをめぐる歌を贈る。

呼び名:親族の尼

東より来たる人

東国から上って来た人。子しのびの森の歌を作者に伝える。

祐子内親王

後朱雀天皇の皇女。作者が出仕した宮。春秋の論や源氏物語をめぐる対話の場の主である。

呼び名:宮・内親王

衛門の命婦

三条の宮(祐子内親王家)に仕える命婦。出仕の頃の記事に現れる。

はかせの命婦

内侍所にゆかりのある命婦。源氏物語をめぐる宮の対話に名が挙がり、初瀬の夢の対話にも言及される。

梅壺の女御

宮仕えの頃の記事に現れる女御。月の夜の物語の場に姿が見える。

物語して別れた女房

宮で夜通し物語をして別れた女房。冬の夜の氷に寄せた歌の主として現れる。作中では通称もなく、出来事によってのみ示される。

傍らに臥した女房

宮仕えの折、作者の傍らに臥した女房。水の浮き寝の鴛鴦や冬枯れの薄に寄せて歌を交わす。

源資通

右大弁。宮で読経の人と見えた人物で、作者と歌や文を交わす。鹿島・鳴門の歌の贈り主。底本の頭註が資通と同定する(表記は資道とも)。

呼び名:読経の人

今一人の女房

宮の女房の一人。春秋の論で春の夜の月を詠み、太秦の贈答でも三人の一人として荒磯の返歌を詠む。本文は二つの場面で同じく「今一人の女房」と呼ぶが、同一人かどうかは明示されない。

越前守の嫁

作者の旧友。越の雪に寄せた歌を贈答する。作中ではこの呼称で現れる。

宮にかたらひ聞ゆる人

宮で作者と親しく語らう女房。太秦で荒磯の歌を贈答し、後に筑前へ下る。夢に現れて西へ行く月に思いを託される。

呼び名:筑前へ下る友

藤原俊通

作者の夫。信濃守に任じられて下向し、その地で没する。作中では名を記されず、底本の頭註が信濃守俊通と同定する。

呼び名:夫

尼なる人

長く訪れのなかった人で、出家して尼となった。蓬の歌の贈答の相手。日記の最後の歌の主である。

場面 第1–5場面

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場面 第6–10場面

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場面 第11–12場面

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出典・底本

『新註更級日記』吉川秀雄著(精文館書店、大正15年[1926])

底本と本文の編集方針

底本:『新註更級日記』吉川秀雄著(精文館書店、大正15年[1926])。本文画像:所蔵機関の公開資料。

大正15年(1926)吉川秀雄著『新註更級日記』(精文館書店)の本文を、国立国会図書館デジタルコレクションの原画像と照合した独自編集本文です。底本の字句を残し、頭註は転写していません。発音の読みと独自訳を添えています。