ATAWI 古典文学JAPANESE CLASSICS, AT YOUR PACE

源氏物語 第53帖

手習 てならい

あらすじ

横川の僧都の母尼の病を機に、宇治の院で行き倒れていた浮舟は小野の尼君に救われ、世を捨てて剃髪する。小野を訪ねる中将との歌の応酬、僧都の漏らした話から薫が生存を知るまでを描く。

この帖の人物

肖像は物語をもとにした創作画です。人物の年齢・衣装は場面によって変わります。

横川の僧都

横川に籠もる高僧。母尼の初瀬詣での帰路、宇治の院で行き倒れていた浮舟を見つけて救い、小野の妹尼のもとで剃髪させる。一品の宮の修法にも召される。

呼び名:僧都

僧都の母

横川の僧都の母。八十余歳で、古い願により初瀬へ詣でる。その帰路に宇治の院へ宿り、行き倒れの浮舟を発見するきっかけとなる。

呼び名:大尼君・母尼

阿闍梨(僧都の弟子)

横川の僧都の弟子。初瀬詣での一行に加わり、宇治の院で浮舟を発見する。少将の尼君の兄。

呼び名:阿闍梨

浮舟

八の宮と中将の君の娘で、宇治の中の君の異母妹。京で母と継父の常陸介のもとに育つ。本帖では薫がその存在を知り、賀茂の祭の帰途、宇治で姿を垣間見る。

呼び名:

小野の尼君

横川の僧都の妹。もと上達部の北の方で、小野に住む。行き倒れの浮舟を引き取って看病し、亡き娘の代わりのように慈しむ。

呼び名:尼君・妹の尼君

少将の尼君

小野に仕える尼。もと四位少将で、琵琶を弾くなど風流を解する。阿闍梨の妹。

呼び名:少将の尼

中将(尼君の婿)

小野の尼君の亡き娘の夫。横川詣でのついでに小野へ立ち寄り、隠れ住む浮舟に心を寄せて文や歌を交わす。のち宰相に進む。

呼び名:中将・宰相

禅師の君

中将の弟で、横川の僧都のもとで山籠もりする僧。

呼び名:

女一の宮(今上の皇女)

今上帝と中宮(明石の姫君)の第一皇女で、匂宮の同母姉。紫の上に育てられ、気品と美しさで並ぶ者のない姫宮とされる。

呼び名:

薫

女三の宮と柏木の間に生まれた若君。表向きは源氏の末子として六条院に迎えられ、五十日の祝いを受ける。生まれつき身に薫る香りを持つといい、その出生の秘密が後の物語の核となる。

呼び名:

紀伊守(大尼君の孫)

大尼君の孫で紀伊守。京へ上った折に小野を訪ね、宇治での薫の様子を物語る。

呼び名:紀伊守

小宰相の君

一品の宮に仕える女房。琴・文章・応対に優れ、薫と二の宮の双方から心を寄せられる。

呼び名:

大宮

大殿の女主人。中務の君と源氏の親しげな様子を、快く思わない。本文に明示される範囲を採用。

呼び名:

場面 第1–5場面

場面 第6–10場面

場面 第11–15場面

場面 第16–20場面

場面 第21–22場面

SOURCE & EDITORIAL NOTES

出典・底本

北村季吟『湖月抄』

書籍の絵は装飾イメージです。

底本:北村季吟編『湖月抄』延宝元年[1673]刊・国立国会図書館蔵 本別3-1 第53冊。本文画像:所蔵機関の公開資料。延宝元年(1673)刊『湖月抄』の大字本文を原画像とOCRで照合した独自編集本文です。通行字体・現行仮名へ写し、濁点・句読点を補い、反復符を展開しています。発音の読みと独自訳を添え、補った主語などは〔 〕で示します。