三の宮
春宮の幼い皇子。紫の上に懐いて「婆」と慕い、二条院に遊びに来る。上の臨終が近づくころ、亡き後のことを言い残される。
呼び名:匂宮・匂兵部卿常陸守の後妻である母君に「姫君」と名づけて育てられた浮舟は、左近少将との婚儀の夜、少将が実の娘に心変わりしていたことを知る。宇治の中の君のもとを訪れた薫は、亡き大君の形代として彼女に歌を贈り、二条院と宇治のあいだで思いを深めていく。やがて浮舟は三条の小家へ移され、母と小萩の歌を交わす。薫は三条の小家を訪れて浮舟と一夜を語らい、翌朝、彼女を宇治へ連れてゆく。宇治では亡き人々を偲び、東屋の歌や月の歌が交わされる。
肖像は物語をもとにした創作画です。人物の年齢・衣装は場面によって変わります。
春宮の幼い皇子。紫の上に懐いて「婆」と慕い、二条院に遊びに来る。上の臨終が近づくころ、亡き後のことを言い残される。
呼び名:匂宮・匂兵部卿八の宮と中将の君の娘で、宇治の中の君の異母妹。京で母と継父の常陸介のもとに育つ。本帖では薫がその存在を知り、賀茂の祭の帰途、宇治で姿を垣間見る。
呼び名:八の宮に仕えた上臈で、宮の娘(浮舟)を産んだ。宮の没後は陸奥国の守に嫁ぎ、のち常陸介の妻となって京に住む。
呼び名:浮舟の母の再婚相手で、浮舟の継父。京で浮舟を育てる。
呼び名:年二十二、三の左近少将。気立てはしめやかで才は認められるが今風ではない。浮舟に熱心に言い寄りながら、彼女が守の実子でないと知って実の娘に心変わりし、婚儀の夜に西の対を空しく帰した。
呼び名:左近少将と常陸の家の間を取り持つ仲人。妹が西の御方に仕える縁で文を取り伝え、少将の翻意を守に説いて婚儀を取りまとめた。言葉多く追従のある人物。
呼び名:浮舟付きの乳母。婚儀の夜の騒ぎや家の中の噂の中で、姫君の身を案じる。
呼び名:二条院に移った宇治の中の君に仕える大輔。右近の母。朝の車の騒ぎなどで表に立って取り仕切る。
呼び名:大輔の君八の宮と北の方の次女。おっとりとして愛らしく、箏の琴に優れる。姉の大君とともに宇治の山荘で育つ。第43帖の按察使大納言の娘・中の君とは別人。
呼び名:中の君女三の宮と柏木の間に生まれた若君。表向きは源氏の末子として六条院に迎えられ、五十日の祝いを受ける。生まれつき身に薫る香りを持つといい、その出生の秘密が後の物語の核となる。
呼び名:二条院の大輔の娘。中の君と三条の小家の浮舟の間を行き来し、車の騒ぎにも関わる。夕顔付きの右近とは別人。
呼び名:柏木の乳母の娘。母が権大納言(柏木)の乳母であった縁で、柏木の最期と言い残しを知る。八の宮の姫君たちの後見として宇治に仕え、柏木から託された遺文を守って、薫に出生の秘密を明かす。
呼び名:老い人三条の小家で浮舟に仕える侍従。世の人の思い巡らすのに過ぎた女と評される。
呼び名:SOURCE & EDITORIAL NOTES
北村季吟『湖月抄』
書籍の絵は装飾イメージです。底本:北村季吟編『湖月抄』延宝元年[1673]刊・国立国会図書館蔵 本別3-1 第50冊。本文画像:所蔵機関の公開資料。延宝元年(1673)刊『湖月抄』の大字本文を原画像とOCRで照合した独自編集本文です。通行字体・現行仮名へ写し、濁点・句読点を補い、反復符を展開しています。発音の読みと独自訳を添え、補った主語などは〔 〕で示します。