ATAWI 古典文学JAPANESE CLASSICS, AT YOUR PACE

源氏物語 第51帖

浮舟 うきふね

あらすじ

匂宮は宇治の浮舟への思いを断ちがたく、薫の声色をまねて宇治の邸に忍び、浮舟と契りを結ぶ。薫も浮舟を京近くへ移そうと画策するが、やがて匂宮の通いは薫の知るところとなる。二人の男の間で引き裂かれた浮舟は、世を捨てる決意を固めて帖を閉じる。

この帖の人物

肖像は物語をもとにした創作画です。人物の年齢・衣装は場面によって変わります。

三の宮

春宮の幼い皇子。紫の上に懐いて「婆」と慕い、二条院に遊びに来る。上の臨終が近づくころ、亡き後のことを言い残される。

呼び名:匂宮・匂兵部卿

宇治の中の君

八の宮と北の方の次女。おっとりとして愛らしく、箏の琴に優れる。姉の大君とともに宇治の山荘で育つ。第43帖の按察使大納言の娘・中の君とは別人。

呼び名:中の君

薫

女三の宮と柏木の間に生まれた若君。表向きは源氏の末子として六条院に迎えられ、五十日の祝いを受ける。生まれつき身に薫る香りを持つといい、その出生の秘密が後の物語の核となる。

呼び名:

女二の宮

朱雀院の女二の宮。柏木の妻となったが、夫婦の情は通わず、柏木は思いを他に残して苦しむ。

呼び名:

浮舟

八の宮と中将の君の娘で、宇治の中の君の異母妹。京で母と継父の常陸介のもとに育つ。本帖では薫がその存在を知り、賀茂の祭の帰途、宇治で姿を垣間見る。

呼び名:

大輔の君

三条の宮の女房。桜の花の争いで右方の助けとして、池に落ちる花の歌を詠む。

呼び名:

道定

式部少輔で大内記を兼ねる官人。匂宮に仕えて宇治への文の取次ぎをし、薫の宇治通いの様子を匂宮に伝える。

呼び名:大内記・式部少輔

時方

薫に仕える随身で、出雲権守。宇治の荘に出入りし、匂宮の忍びの宇治行の案内役となる。

呼び名:出雲権守・出雲の権守

右近(浮舟の侍女)

浮舟の乳母の娘で、宇治の邸で浮舟に仕える女房。匂宮の忍び入りの事情を知り、二人の仲を取り持つ。

呼び名:右近

侍従(浮舟付き)

三条の小家で浮舟に仕える侍従。世の人の思い巡らすのに過ぎた女と評される。

呼び名:

浮舟の乳母

浮舟付きの乳母。婚儀の夜の騒ぎや家の中の噂の中で、姫君の身を案じる。

呼び名:

中将の君(浮舟の母)

八の宮に仕えた上臈で、宮の娘(浮舟)を産んだ。宮の没後は陸奥国の守に嫁ぎ、のち常陸介の妻となって京に住む。

呼び名:

夕霧

源氏と葵の上の間に生まれた男御子。出産直後に母を亡くし、祖母の大宮のもとで育てられる。

呼び名:若君

今上帝

朱雀帝の皇子で、冷泉院の弟。明石の姫君を中宮とし、匂宮と女一の宮の父。藤壺の女御を寵愛し、その忘れ形見の皇女の婿に薫を望む。

呼び名:

女一の宮(今上の皇女)

今上帝と中宮(明石の姫君)の第一皇女で、匂宮の同母姉。紫の上に育てられ、気品と美しさで並ぶ者のない姫宮とされる。

呼び名:

場面 第1–5場面

場面 第6–10場面

場面 第11–15場面

場面 第16–20場面

場面 第21–24場面

SOURCE & EDITORIAL NOTES

出典・底本

北村季吟『湖月抄』

書籍の絵は装飾イメージです。

底本:北村季吟編『湖月抄』延宝元年[1673]刊・国立国会図書館蔵 本別3-1 第51冊。本文画像:所蔵機関の公開資料。延宝元年(1673)刊『湖月抄』の大字本文を原画像とOCRで照合した独自編集本文です。通行字体・現行仮名へ写し、濁点・句読点を補い、反復符を展開しています。発音の読みと独自訳を添え、補った主語などは〔 〕で示します。