源氏物語 第47帖
総角 あげまき
あらすじ
八の宮の死後、宇治の姫君たち(大君・中の君)に薫と匂宮が通う。薫は大君を思うが、大君は亡き父の遺志を守って身を引き、妹の中の君を匂宮に結ばせる。匂宮と中の君が契りを結ぶ一方、大君は心労のうちに病み、薫の看取るなかで世を去る。雪の宇治に、薫と匂宮の尽きぬ思いが残る。
この帖の人物
場面 第1–5場面
場面 第6–10場面
第6場面喪の明けるころ大君は薫への思いを断ち、中の君を表立てようと決意する。喪服が脱げ、姉妹は薄色の姿を見せる。第7場面薫の再訪とすれ違い長月、薫が再び宇治を訪れるが、大君は対面を避ける。女房たちは二人を結ばせようと図る。第8場面弁のたばかりと中の君の部屋弁の計らいで、薫は誤って中の君の部屋に導かれる。人違いと知りながら、薫はそのまま夜を語り明かす。第9場面紅葉の歌と尽きぬ思い薫は大君への思いの冷めないことを思い知る。紅葉の枝に寄せた贈答を交わし、やがて匂宮への橋渡しを思い立つ。第10場面薫、匂宮に語る薫は六条院の匂宮を訪ね、宇治の姫君たちのことを語る。女郎花の歌を戯れに交わし、匂宮の宇治行きが決まる。
場面 第11–15場面
第11場面匂宮の宇治行き九月二十八日、匂宮は人知れず宇治を訪れる。大君は障子越しにだけ対面し、思いがけず心を動かされる。第12場面導かれた夜と朝の贈答匂宮は弁に導かれて中の君の部屋に入る。夜明けに歌を交わし、名残を惜しんで帰京する。第13場面後朝の文と三日の餅匂宮の後朝の文が届き、三日夜の餅の祝いがひそかに営まれる。薫は大君に小夜衣の歌を贈るが、返歌は冷ややかだった。第14場面中宮の諌め内裏では中宮が匂宮の里住みがちを諌める。その夜たまたま参った薫は、中宮の御方に泊まって宮中のありさまを眺める。第15場面匂宮の再訪と宇治橋の歌匂宮は再び宇治を訪れ、中の君と夜を過ごす。夜明けの宇治橋に寄せて、二人は歌を交わす。
場面 第16–20場面
第16場面九月の同行と三条宮の営み九月十日、薫は匂宮を誘って宇治へ行くが、大君は物越しにしか対面しない。京では中の君を迎える三条宮の営みが進む。第17場面紅葉狩りの人々十月朔日、匂宮の紅葉見物の一行が宇治に上る。殿上人たちは歌を詠み交わし、匂宮は姫君たちへの思いをいよいよ深める。第18場面大君の心労大君は匂宮の変わりやすい心を恐れ、人笑へになることを苦にして、次第に心身を弱らせてゆく。第19場面内裏に籠もる匂宮匂宮の忍び通いが帝や中宮の耳に入り、匂宮は内裏に籠もる。左大臣の六の君との婚儀が進められる。第20場面女一の宮と若草の歌匂宮は姉の女一の宮を訪ね、その気品に打たれながらも、宇治の姫君たちへの思いを忘れられない。
場面 第21–25場面
場面 第26–28場面
出典・底本
底本:北村季吟編『湖月抄』延宝元年[1673]刊・国立国会図書館蔵 本別3-1 第47冊。本文画像:所蔵機関の公開資料。延宝元年(1673)刊『湖月抄』の大字本文を、国立国会図書館デジタルコレクションの原画像(IIIF)と照合した独自編集本文です。通行字体・現行仮名へ写し、濁点・句読点を補い、反復符を展開しています。発音の読みと独自訳を添え、補った主語などは〔 〕で示します。